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2020年2月4日

住職の言いたい放題㉗「浄土十楽」

こんにちは。住職の斉藤隆雄です。
 
今から808年前、建暦2年(1212年)1月25日に宗祖法然上人は御往生(逝去)されます。その14日前の1月11日の朝8時頃に法然上人は起き上がられて静かにお念仏をお唱えになりました。そしてお弟子さんたちに『観音菩薩様や勢至菩薩様などの尊い方々がここにおられるが、皆さんはそのお姿が見えますか?』とお尋ねられました。お弟子さんたちは『残念ながら見えません』と申し上げると、法然上人は『もっとお念仏をお励みなさい』と勧められました。同日の午前10時頃、法然上人は空を指差し『阿弥陀様がお迎えに来て下さり、お姿を現しておられます。皆さんは見えますか?』とお弟子さんたちに阿弥陀様のお迎えを示されています。
 
亡くなる前に阿弥陀様のお迎えをいただければ、死への恐怖や大切な方々との別れの苦しみ、心身の様々な苦しみから解放されて、安らかに穏やかに清らかに終末を迎えることができます。

今から約千年前、比叡山の恵心僧都が著述された「往生要集」には、極楽浄土に往生する代表的な十種類の素晴らしい事柄を「浄土十楽」としてお示しです。その第一が「聖衆来迎(しょうじゅらいこう)の楽しみ」です。お念仏の教えを信じ、日々お念仏を実践すると、臨終の時に阿弥陀様が菩薩様、先立たれた大切な方々を従えて、眩いばかりの光を放ちながら、お迎えに来てくれる楽しみです。

この様子を目の当たりにして、感動と歓びの境地で命が終わります。
その時、観音菩薩様が差し出した蓮華の台に座して、阿弥陀様の後に従って、一瞬の間に極楽浄土に往生します。

あとの「九楽」については後日ご紹介いたします。