西念寺からのお知らせイメージ

お知らせ一覧へ

2026年1月19日

住職の言いたい放題(82)『阿弥陀さまが見えますか』

法然上人は、今から約800年前、建暦2年(1212年)1月25日、80歳で極楽往生を遂げられました。現在の日本人男性の平均寿命は81歳ですので、当時としては大変長寿であったといえます。

ご往生の数年前より、法然上人は視力が衰え、耳も遠くなり、年末には食欲もなく、体調はかなりお悪い状態でした。お伝記によりますと、年が明けた1月2日には、まったく食事ができないほどであったと伝えられています。

ところが不思議なことに、お身体の衰えとは反対に、聴覚や視覚は次第に鋭くなり、お弟子さん方には、以前と変わらず熱心に極楽往生のお話をされ、力強いお念仏の声が絶えることはありませんでした。

1月11日の朝8時頃、法然上人は起き上がり、お念仏を称えながら、お弟子さん方に「阿弥陀さまや菩薩さま方がお迎えに来ておられますが、見えますか」とお尋ねになりました。

お弟子さん方が「私たちには見えません」とお答えすると、「それでは、もっとお念仏に励みましょう」と、なお一層お念仏を勧められました。

20日の朝10時頃には紫色の雲が現れ、午後2時頃、法然上人は空を見上げ、しばらく瞬きをされないことが何度かあり、阿弥陀さまのお迎えをはっきりとご覧になったと伝えられています。

23日には、長年お側でお仕えしてきた源智上人の強い願いに応じ、現在「一枚起請文」と呼ばれる、お念仏の大切な教えを書き記した起請文をお授けになりました。このことからも、最期まで心身ともに明晰であったことがうかがえます。

24日のお昼頃には、再び紫雲がたなびき、それを見た多くの人々は、法然上人のご往生が間近であることを確信いたしました。

法然上人は最期の時までお念仏を称え続けておられましたが、25日の昼前になると、そのお声は次第にかすかになり、正午、静かに息を引き取られました。お顔は血色も良く、ほのかに微笑んでいるように見えたと伝えられ、まさに見事なご往生でありました。

法然上人は、阿弥陀さまのお迎えをいただき、何の不安もなく、幼い頃に別れたご両親をはじめ、先に往かれた多くの方々との再会を楽しみに、極楽浄土へと往生を遂げられました。

「生まれがたき浄土に往生せんことは、悦びの中の悦びなり」
― 法然上人

明和海運株式会社