2022年4月23日
住職の言いたい放題(59)『半藤一利さんに学ぶ』
こんにちは。住職の斉藤隆雄です。
昨年(令和3年)1月12日に半藤一利さんが亡くなりました。
半藤さんは戦争に向かう「兆候」を①被害者意識と反発が国民に煽られる。②言論が不自由になる。③教育が国粋主義に変わる。④監視体制が強化される。⑤テロの実行が始まる。⑥ナショナリズムが強調される。
「日本人の宿題」(NHK出版新書)より①勝ったという経験は、人間を反省させないし、利口にもしません。②教育によって国というのは立つんです。経済によっては立たない。③絶対という言葉は使わない。絶対にひとを殺さないとか、絶対に日本は勝つとか。そういうものは嘘。世の中に絶対はない。④大きく変革する時に人間というものは正体を現す。軍国主義の先生が、終戦後は、負けたのは軍人と政治家のせい、これからは民主主義でいくんだ、と言い出す。⑤歴史の前に誠実であれ。⑥戦争というものは、本当に人間がやってはならない一番最大の悪。歴史を自分で学んでいくことを積極的にやってください。
「太平洋戦争への道」(NHK出版新書)より
不勉強な人たちが指導者になって、自分たちの勢いに任せたような判断を次から次へとやってきた。その判断の間違いが積み重なって、戦争になってしまった。引き返せる局面はあったと思いますが、彼らは不勉強だからできなかった。今の日本人も不勉強です。しっかりと勉強してほしい。若い人には特に勉強してほしいと思いますね。
お釈迦さまは「自らを灯明として、自分をたよりとして、他人をたよりとせず、真理を灯明とし、真理をよりどころとして、他のものをよりどころとしないで生きていきなさい」と遺言されています。
ウクライナはロシアからの猛攻で都市が破壊され、市民が死傷しています。戦火を逃れる市民が国境周辺であふれかえっています。ロシアの早期撤退を願います。