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2020年12月25日

住職の言いたい放題㊹「不可思議な縁(えにし)」

こんにちは。住職の斉藤隆雄です。

今年の10月中旬に、一通のハガキが届きました。Iさんの後見人からのハガキで、そこには10月1日にIさんがご逝去された旨が書かれていました。私はIさんとは面識がなく、4年前に一度電話でお話ししただけです。

Iさんは茨城県の鹿島市にお住まいで、電話で話をした当時は90歳代前半の男性でした。私の母がまだ元気なころですから、かなり昔に西念寺にお参りに来られました。その時に母と話が弾んだようで、そのことが懐かしくなり、急に思い立って電話をかけてきたとの事でした。私は母が既に亡くなったことなど、私どもの近況報告をいたしました。この電話がきっかけとなって、以降毎年茨城県産のとても美味しい果物や銘菓をお供物として頻繁に送ってくださいました。

後見人さんにすぐに連絡して、Iさんの墓地を教えてもらいたいとお願いしました。お墓は地元のとても広い霊園の中なので、Iさん宅の近くに住む、Iさんの知人であるAさんという女性に墓地を案内してもらうことになりました。

早速Aさんと連絡を取り、お香を持って鹿島市の霊園に妻と二人で出かけました。霊園の駐車場でAさんと待ち合わせして、Iさんのお墓を案内してもらいました。Aさんがお持ちいただいた生花と私が持参したお香を手向け、墓前にてお経とお念仏をお唱えし、Iさんのご回向を妻とAさんと共にお勤めしました。

お勤めを終わって、墓石を見るとIさんと奥様と妹さんの三名の名前が刻まれていました。Iさんの奥様は「あやこ」さん、妹は「きよこ」さん。漢字は違いますが、驚いたことに私の妻と娘とおなじ名前でした。

Aさんが私たちにお土産をご用意して下さり、恐縮してAさんのご自宅にお土産をいただきに寄らせていただきました。そこにはIさんの飼い犬が引き取られていました。なんと犬の名前が「りょう」で私の息子の名前と同じです。こんな偶然があるのでしょうか。不可思議な縁を想いつつ帰路につきました。