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2020年7月1日

住職の言いたい放題㊳「納得できない不条理な死」

こんにちは。住職の斉藤隆雄です。

先日、内科のお医者様にお会いした時、私のような慢性の喘息患者はコロナ感染すると大変危険ですから、絶対に感染しないよう十分注意するようにと指導されました。 

6月28日現在、埼玉県のコロナ感染率は約0.015%です。これは6500人に1人の感染割合です。ですからこのお医者様にお会いするまでは、自分が感染することはないだろう。感染しても軽い症状で済んで、免疫ができればそれも良しと、かなり楽観的な思いで生活していました。しかし「感染=死」となるとこれはかなりビビリます。たとえ0.015%でも「かかる」か「かからない」か「生きる」か「死ぬ」かという二択になってしまったからです。
 
しかし冷静に考えれば、コロナ感染しなくても、すべての人は何時か死を迎える宿命です。天災地変・事故・がん等々で急に亡くなるかもしれません。或は逆に100歳まで元気でぴんぴん長生きして、ころりと亡くなるかもしれません。どんな縁でいつ人生が終わるのか。それが明日か、かなり先なのかは全く分かりません。
 
法然上人は『人の死の縁はかねて思うにかない候わず』とお示しです。何が縁で死を迎えるか、思い通りになるとは限りませんよ。家族に見守られて安らかに死を迎えられるかどうかは分かりませんよ。そしてさらに続きます。出先で急に倒れて、トイレで、刀で刺されて、火災、水難、で亡くなるかもしれませんよ。と具体的に指摘されています。
 
普段は死について特別意識せずに生活しています。しかしその時がきたら、たとえ納得できなくても、総て受け入れて静かに死を迎えようという、そこまでの覚悟もありません。不条理な死に直面した時にどのように受け止めていくのか。
 
そして法然上人は『どのような死を迎えても、日頃からお念仏をお唱えして極楽往生を願う人ならば、息の絶えるときに阿弥陀さまのお迎えをいただけます』と阿弥陀さまのお迎えという救済を示されています。