西念寺からのお知らせイメージ

お知らせ一覧へ

2020年4月8日

住職の言いたい放題㉝「過去を追うな 未来を願うな」

こんにちは。住職の斉藤隆雄です。

お釈迦さまのお言葉です。『過去を追うな。未来を願うな。過去はすでに過ぎ去り、未来はまだ来ていない。(中略)今やるべきことのみを熱心になせ。明日死ぬことを誰が知っていようか。』
 
過去を変えることはできません。同様に未来をただ願うのも無益です。当然ながら過去にも未来にも生きることはできません。生きることができるのは「今」という瞬間だけです。今やるべきことを先延ばししないで、今やり遂げる。

仏教はその根拠として「明日には、死んでいるかもしれない」という死の自覚、無常観を説きます。

宗祖法然上人も『ある時には、世間の無常なる事をおもいて、この世のいくほどなき事を知れ』と、いつ・どこで・どのように・死を迎えるか解らない世界に生きている事を想い、ずっと生き続けるのではなく、まもなく死を迎えることを忘れてはなりません。とお示しです。

お恥ずかしいことですが、現在67歳。健康な私は死の自覚が未だにできていません。まだすぐには死なないだろうというのが本音です。
しかし近い将来、健康を害したり、気力が無くなったり、体に痛みが生じてスポーツができなくなったり、経済的な理由や体力の衰えで旅行に行けなくなったり、視力が悪くなって読書ができなくなる、そんな日が近い将来必ず来ることは覚悟しています。ですから「今やるべきことを、今やる」これを積み重ねる。この連続を心がけて生活する。これが充実した人生といえるのではないでしょうか。

誤解を招く表現ですが、私はやりたいことは、少し無理してもやっておく。今、我慢して先々後悔するより、たとえ我儘で身勝手と思われても、充実した今を積み重ねて暮らしていきたいと思います。

「このままでは死んでも死にきれない」とならないように、後悔しないように、今の充実を大切にしましょう。