2020年12月25日
住職の言いたい放題㊺「思い通りにならない」
こんにちは。住職の斉藤隆雄です。
子供が独立して、住宅ローンも完済して、仕事も退職すれば、目指すは悠々自適の生活、「晴耕雨読(せいこううどく)」です。
「晴耕雨読」を実践するためには四つの要素が必要です。
1.体力・気力(健康) 2.資金(お金) 3.ゆとり・暇(時間)
4.仲間・パートナー(人間関係)
私はこの四つの要素があれば、ある程度人生思い通りに、満足度の高い日暮らしが送れると信じていました。実際に、ここ数年は「晴耕雨読」的な生活ができ、充実した生活ができました。
しかし今年のコロナ禍で「やっぱり人生、思い通りにならないなぁ」としみじみと実感しました。
仏教では「苦」には二通りの意味があると説きます。ひとつは楽に対する相対的な苦です。普段苦しいと感じる苦しみです。肉体的な苦である身苦や精神的な苦である心苦です。
もう一つの苦は思い通りにならないという、「一切(いっさい)皆(かい)苦(く)」と言われる苦です。お釈迦さまは四つの真理の第一番目に「現実の世界は苦である」とお示しです。私たちの住む世界は思い通りにならない世界だとお釈迦さまはご指摘です。この苦の世界に生きているという世界観をまずはしっかりと認識することが大切です。
去年と比較して、コロナ禍の今年は仕事面で、健康面で、色々な面でマイナスという生き方は残念ながら不幸です。
「思い通りにならない」のが当たり前、と受け止める人生観が大切です。この「思い通りにならない」中で、絶対にウイルスに感染しない、感染させないで、如何に充実した、満足度の高い、納得できる今を過ごすか。そこに智慧を絞って幸せに生活していきたいです。