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2024年12月9日

年末のご挨拶

10月の下旬に旅行会社が募集するバスツアーに妻と二人で参加しました。

初日は羽田から高松までは飛行機で、高松空港からはバスで倉敷と大原美術館、2日目は小豆島と姫路城を見学、3日目は鳴門渦潮を見て、大塚国際美術館で原寸大の陶板で再現された見事な名画を鑑賞して、徳島空港から羽田へ戻るという楽しい3日間の旅でした。

今回ツアーで訪れた香川・岡山・兵庫は法然上人が配流で来られた土地です。

建永2年(1207年)3月16日に法然上人は流罪の身で京都から四国へ旅立ちました。弟子の些細なことが原因で、「罪人」としてすべてを没収され、僧名もはく奪され、30年間の住み慣れた都を離れ、弟子たちとも別れ、遠い讃岐の地へ旅立ちました。75歳の高齢で海山を隔てた遠い地へ向かう不安と、潮の流れが複雑な海をエンジンの無い海船で渡るという危険で命がけの旅でした。

この法難は法然上人からすれば非常に不当な処罰です。反発や反論をして、自身の正当性を主張して都にとどまるという選択肢も当然あります。

しかしここで法然上人はプラス思考で対応します。未だ念仏の教えに出会う縁のない四国の人々に専修念仏の教えを説くことができると新天地での布教を使命として、流罪を前向きに受け止めました。法然上人の柔軟な生き方を見習いたいと思います。

本格的な寒さに向かいますので充分ご自愛ください。勝手ながら念頭のご挨拶は失礼いたします。合掌