
2025年2月6日
住職の言いたい放題(75)『終活と安穏』
こんにちは。住職の斉藤隆雄です。
介護施設で車いす生活をしている男性が、死ぬ前にどうしても先祖の墓参りをしたいというので、職員はこの男性の願いを叶えてあげようと、男性の墓参りを実行しました。
現地に到着すると、なんとお墓は山の上で、車いすも使えない程の急坂で悪路のため、職員と運転手が交代で、この男性を背負ってやっとのことで墓前にたどり着き、この男性は何とか墓参りができました。
教訓として、このようなことがないように、足腰が元気なうちに墓参りをしておきましょう。不運にも自力で墓参りができなくなった場合は、お仏壇の前でご先祖様方のお戒名とお念仏をお唱えしましょう。
そして極楽浄土で再会を果たした時には、墓参りができなかったことをご先祖様に直接お詫びしましょう。
臨終の間際に、「未だ長男が到着しないのでなんとか延命してほしい」と医師に頼む家族がいるそうです。こうなると医師はできる限りの延命処置をせざるを得なくなります。敵わないのは死にゆく本人です。まもなく安らかに極楽往生ができるつもりが、延命されて体が苦痛で悲鳴を上げます。
容体が急変して、急に臨終を迎えることもあるでしょう。お別れはしっかりと事前にしておきましょう。
延命を希望しないならば、「本人は安らかな、穏やかな最後を望んでいましたので、これ以上の医療行為はしません」と、はっきりした家族共通の想いを持つことも必要です。
私は今年(令和7年)年男で72歳になりました。元気で頭がはっきりしている時に、身の回りの整理と共に、「死に対して医療は無力」という医師の久坂部洋先生の言葉を信じて安らかな最後を迎えられるように妻にお願いしています。