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2022年12月13日

住職の言いたい放題(64)『若大将も85歳』

こんにちは。住職の斉藤隆雄です。
老年医学や100歳以上の百寿者研究を専門とする慶応病院の新井康通教授は、30年前の1992年は百寿者が4152人でした。昨年2021年は百寿者が8万6510人と約20倍に増加しました。かつての「きんさん」・「ぎんさん」のように、テレビでは驚くほどお元気な百寿者が登場しますが、実際には自立されている方は約2割で、8割の方は介助や介護のお世話になっています。

医師でジャーナリストの富家孝先生は、平均寿命ではなく平均余命で考えるべきとおっしゃいます。平成22年の平均寿命は男性81歳、女性87歳ですが、平均余命ですと次のようになります。

男性 65歳の方の余命は19年  70歳の方15年  75歳の方12年 
女性 65歳      24年  70歳  20年  75歳  16年  
 
しかし病気やケガと共に生きる期間の平均が、男性で9年、女性で12年あります。ずっと元気で最後は苦しまずにコロリと亡くなる「ピンピンコロリ」が理想ですが、あまり期待はできないようです。

テレビ「徹子の部屋」に加山雄三さんと松本めぐみさんご夫妻が出演されていました。若大将の加山さんは昭和12年生れで85歳です。3年前に脳梗塞、2年前には小脳内出血を患いました。脳梗塞は軽傷でしたが、小脳内出血を発症した時は病院に緊急搬送されました。かなり危険な状態でしたが、幸いにも症状が回復し無事退院されました。

それ以降、朝は『おはよう。今日も元気で会えました』 夜寝る時は『今日も一日ありがとう』と奥様に言われるのが毎日の儀式だそうです。

生活が豊かになり、医学が発達しても、老病死は思い通りにはならないようです。私も夜寝る時に、妻に『それではまた明日』と言っていますが、あと何年言えるのでしょうか?ナムアミダブツ