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2021年9月13日

住職の言いたい放題(54)『お墓に戒名を刻む』

こんにちは。住職の斉藤隆雄です。

西念寺では令和2年より5回の「一日授戒会」を実施いたしました。20数名の方々に生前戒名を授与しました。受者の方から、生前戒名をお墓に刻みたいとの希望がありました。そこで受戒された方々に連絡すると戒名を刻みたい方が多数いらっしゃいました。誤字があるといけませんので、寺で取りまとめて石材店さんに依頼をしました。

私自身も昭和50年12月に総本山、京都の知恩院さんで伝宗伝戒加行道場という僧侶になるための修行がありました。そして修了した時に戒名をいただいております。(基本的に僧侶は戒名を持っています)

せっかくの機会なので私の戒名も刻んでいただくようにお願いしました。本堂正前にある合掌の塔の隣に歴代住職のお墓があります。そこに私の戒名を刻んでもらいました。戒名は亡くなった方にお付けする名前という認識で、あまりよい印象が無く、違和感をお持ちの方がおられます。

本来、戒名とは仏教徒になるための名前です。キリスト教の場合、入信する時に洗礼という儀式が行われクリスチャンネームが与えられます。同様に仏教の場合は授戒という儀式が行われ戒名が与えられます。『戒』を授かり『戒』と共に生活して、人生がグチャグチャにならないように、人生失敗しないように、安心・安全・安穏な生活を目指します。

『戒』というと何々をすべからずという風に理解している方も多いようですが、そうではなく『戒』を持つことで日常生活に迷いがなくなり合理的で快適になる教えです。世俗の煩わしい常識や無数にある選択肢から解放してくれるストレスフリーの教えです。

私の戒名が刻まれたお墓の前に立ちました。将来、私の命日が刻まれる日が必ず来ます。それまでの限りある命を大切に安らかに過ごそうと誓いました。