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2020年5月4日

住職の言いたい放題㉞「一期二会」

こんにちは。住職の斉藤隆雄です。
 
元々は茶道(茶の湯)において、一生涯にただ一度だけ会うことを一期一会(いちごいちえ)といいます。

緩和ケア医の大橋洋平医師は、ご自身でがんを患ってから、一期一会ではなく「次また会える」という出会いを願うようになったといいます。それが一期二会(いちごふたえ)です。
 
新型コロナウイルス感染が原因で志村けんさんや岡江久美子さんがご逝去され、埼玉県では自宅療養中の一人暮らしの男性が死亡されました。夕方のテレビニュースで自宅にご遺骨で帰られた岡江さんのご主人、大和田獏さんが『こんな形の帰宅は本当に残念で悔しくて悲しいです。』と悲しまれる姿が放映されていました。
 
この感染で、300名以上の方々が亡くなっています。感染防止のため、ご家族はお見舞いにも行けず、臨終の時も家族に見守られることなく命を終わられ、葬儀式も告別式も無く、直ぐに荼毘(だび)に付されて、ご遺骨で家族の元に帰っていくのが現実です。ご遺族の方々は、大和田獏さんと同様に、つらい悲しい想いで日々過ごされておられるのでしょう。
 
宗祖法然上人は、先立っていかれた大切な方とは、お念仏の功徳で必ずお浄土で再会できることを、歌にされています。

『先立たば おくるる人を待ちやせん 花の台(うてな)のなかば残して』

先立ってお浄土に往生されたお方は、私を送ってくれた(私の後から遅れて来られる、私のためにお念仏を贈ってくれた)あなたを極楽浄土でお待ちしております。蓮の花の台をあなたのために半分空けてお待ちしていますので、そこで再会いたしましょう。