2020年4月8日
住職の言いたい放題㉜「歯間ブラシから仏性顕現を想う」
こんにちは。住職の斉藤隆雄です。
三重県歯科医師会の歯周病対策として歯間ブラシとデンタルフロス(丈夫な糸)の使用を勧めています。
歯と歯の間のプラーク(歯垢)除去率は歯ブラシのみでは58%、歯ブラシと歯間ブラシで95%の効果だそうです。
歯ブラシだけの歯磨きではプラークを完全に取り除けませんから、長い時間をかけて歯間にしっかりとこびりつき、まるで歯の一部のようになり、プラークの存在自体を麻痺させてしまいます。
以前、虫歯治療で歯科医院に通院していました。歯の治療が終わり、最後にプラーク除去の施術をしていただきました。プラークを取り除くと、当然ですが歯間に今まではなかった大きな隙間ができます。歯と歯の間が異常にスースーしたのを覚えています。
この直後に食事をしました。すると今までは感じられなかったことですが、すべての歯と歯の間に食べ物が挟まっていくのを実感しました。
これはとても気持ち悪いことです。食後直ぐに口をすすぎ、歯磨きをしました。この体験がきっかけで以降歯間ブラシを使い始め、現在に至っています。
私は、年に2回歯科検診を受診しています。虫歯と歯周病のチェックと同時に歯磨きがきちんとできているかどうかもチェックされます。私はきちんと磨けていると、毎回お褒めの言葉をいただいています。
プラークの存在さえも麻痺してしまうような私ですから、煩悩に覆われた仏性(仏になる可能性)の存在を自覚することは有り得ません。その自覚できない仏性を顕現するなんて、残念ながら絶対に不可能だということは分かっています。でも残りの人生、少しでも仏性顕現に近づくように精進したいと、歯間ブラシを使うたびに想います。