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2016年2月1日

住職の言いたい放題③「食品廃棄は命の廃棄」

こんにちは。住職の斉藤隆雄です。
最近のテレビで連日放送されていたのが『CoCo壱番屋』の廃棄食品の横流しに関する放送でした。
 まことにお恥ずかしい次第ですが、私は賞味期限と消費期限について大きな間違いをしていたことが分かりました。食品には短期間の賞味期限があって、そのあとに消費期限があると思っていましたが、これは間違いでした。
 念のため解説いたします。消費期限とは長く保存ができない、お弁当や生洋菓子に表示されているもので、期限内であれば安全に食べられます。期限が過ぎたら食べない方がよいという意味です。
賞味期限とは比較的保存がきく食品で期限内であれば美味しく食べられます。期限を過ぎたら食べられないという事ではありません。以上釈迦に説法です。
 ですから消費期限が過ぎており、暑い室内に放置されている生ものなどは十分注意が必要です。
 しかし、賞味期限に該当する食品であれば、期限が過ぎたからといってすぐに処分するという必要はありません。
 期限が過ぎた段階で、場合によっては期限前であっても、私たちはまだ食べられる食品を廃棄してしまっているのではないでしょうか。
 フジテレビの朝の情報番組「とくダネ!」の司会者、小倉智昭さんが番組内で「ズレた」発言をして、ネット等で「的外れな意見だ」と批判されたという記事を読みました。1月18日の放送で『シリアでね、1週間食べものがなくて餓死する子供がいる一方で、こんな風に廃棄されている食品もあるってなんかねぇ』とコメントしたことに多くの批判が寄せられているというのです。
 しかし、世界全体では飢餓が原因で年間1500万人の人が死亡しています。この内の七割の1000万人が子供です。
農水省のホームページを見ると驚いてしまいます。日本は年間5500万トンの食糧輸入をして1800万トンを廃棄しています。これは世界一の食糧廃棄率です。廃棄している1800万トンは3000万人分の年間食糧に匹敵しています。更に廃棄食料の半分以上にあたる1000万トンが一般家庭から捨てられています。この内、まだ食べられるのに捨てられる食べ物の量は500万トン~800万トンです。これは約1000万人分の年間食糧です。
何ともすごい数字です。食べ物が無くて死んでいく子供たちを全員救える、食べられる食糧を廃棄している日本です。そのうちの一人が私であり貴方です。
 私たちは食品に対して安全で安くて美味しくて栄養があって等々を求めています。しかしながら食べ物は本来「命」です。その命を私たちは食べています。穀物という「命」を牛や豚や鶏が食べて、成長したそれらの肉という「命」を私たちは食べています。食糧廃棄は多くの食べ物の「命」の廃棄、更には1500万人の餓死に繋がります。私たちは食べる量を減らす。無駄な食料品の買い物や食べ残しを減らす。安全な食品を選ぶ。等々の努力も必要です。
 しかし大前提として命の尊さ、大切さを失念せず自覚することが重要です。仏教は輪廻思想で成り立っています。すべての命は等しく尊いと考えます。尊い命を大切にいただきたいと思います。