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2012年9月19日

『四門出遊』法話

釈迦族の太子であるゴータマ・シッダルタ(のちのお釈迦さま)は、ある日外出をします。

最初の外出は東の門からで、途中で、今まで見たことの無い皺だらけで、歯が欠け、白髪、やせ衰え骨と皮ばかりのひとりの老人と出会います。
ゴータマは召使いに聞いた。「この人はなにものか。どうしてこのような姿なのか」召使いは、「これは老人というものです」と答えた。さらにゴータマは、「この人だけが老人になるのか」と聞くと、「人間はだれもが年をとれば、必ずこのような老人になります」と召使いは答えた。ゴータマはこれを聞くと、遊びに行く気持ちは消え失せてしまった。

二度目の外出は南の門からで、途中で、病人が自分の汚物の中で、転げて苦しむ姿を見て、「人間はだれもが必ず病気になります」と聞き、遊びに行く気持ちは消え失せてしまった。

三度目の外出は西の門からで、途中で、死者を嘆き悲しむ人々と出会った。ゴータマは召使いに聞いた。「わたしも死ななければならないのか。」と聞くと、「そのとおりです。あなたもわたしもいずれは死ぬべきものであり、避けることはできないのです」と召使いは答えた。ゴータマは深く心をうたれ馬車を引き返した。

最後の外出は北の門からで、途中で、黄色の袈裟をつけた修行僧に出会います。その気高い姿に感動し、自らも出家します。

 

「四門出遊」(しもんしゅつゆう)は、「生老病死」(しょうろうびょうし)の四つの苦しみを初めてお釈迦さまが目のあたりにし、出家の動機になった話として有名です。

生まれた者が、老いて、病になり、死を迎えることは避けることができません。

生者必滅(しょうじゃひつめつ)といいますが、この老・病・死の問題をお釈迦さまはどのように解決してくださったのでしょうか。

この世は無常です。従ってこの世で生者必滅を変えることはできません。そこで阿弥陀様の建立された極楽浄土へ生まれ変わっていくことをお説きになりました。

極楽浄土に往き生まれれば、老いることも、病もなく、永遠の命を得ることができるとお示しくださいました。

 

『ある時には、世間の無常なる事を思いて、この世のいくほどなき事を知れ』

(法然上人御法語)

お釈迦さまが経典に説かれた『お念仏』、阿弥陀さまが救済を誓われた『お念仏』、すべての仏さまが間違いなく往生できると証明された『お念仏』を称えて、共々極楽往生を目指しましょう。