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2017年10月10日

住職の言いたい放題⑭「いつも寄り添う」

こんにちは。住職の斉藤隆雄です。
お盆前に本山からの郵便物の中に興味深い句がありました。『盂蘭盆会(うらぼんえ) 空席の無い 夕ご飯』という句です。大切な方が亡くなられて以来、毎日その方の席が空席になっていました。でもお盆のこの時期は、人間の両眼には映らないけれど、大切な方が生前通りの指定席に座って一緒に夕飯を食べています。という感じでしょうか。

老後の苦しみの一つは「孤独」だといわれます。限られたお盆の時期だけではあまりにも短すぎます。そんな私たちの想いを憐れんでお念仏をお唱えすれば、何時も阿弥陀様や先立って逝かれた大切な方が、影の如く寄り添ってくれます。更には多くの仏さまが周りをしっかりと守護してくれますので悪鬼や悪神を払い除けてくれます。

そこで私は、先程の句を『一年中 空席の無い 夕ご飯』『お念仏 空席の無い 夕ご飯』という句に作り変えました。テレビ番組「プレバト」で活躍中の夏木先生には「才能無し」といわれてしまう句だと思います。しかし考えてみれば有難い句だと思いますがいかがでしょうか?
大切な方と死別された方々の本音が毎日新聞に掲載されていました。

60歳 女性より 『お父さん(夫)そちらの生活はいかがですか?私は一人の生活にだいぶ慣れましたよ。少しやせ我慢かな?お父さん35年間けんか一つなくわがまま放題に過ごさせてもらったこと感謝しています。心にポッカリ穴があくというのはこういうことだったのですね』
63歳 男性より 『家内とは「どちらが先に逝っても、残された方は愉快に楽しく人生を過ごそうね」と常々約束していた。お互いに結婚以来病気をしたことが無く、日本人の平均寿命くらいまでは生きられるだろうとのお気楽な考えが根底にあったように思えてならない。いざ家内に先に逝かれるとなかなかそのような気持ちになれない』 

大切な方との別れの寂しさや虚しさを嘆くのではなく、何時もいっしょに寄り添っていただきましょう。